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2010年07月13日
債権譲渡の対抗要件、過去問演習 [はてなブックマークで表示] [コメントビューワーで表示] [はてなブックマークに追加]
今回の過去問演習は、行政書士試験の平成20年の【問題46】です。債権譲渡に関する記述式の問題です。
【問題46】 AはCに対して、自己がBに対して有していた300万円の貸金債権を譲渡した。この場合、債権譲渡の合意自体はA・C間で自由に行うことができるが、債権譲渡の合意に基づいて直ちに譲受人Cが債務者Bに対して支払いを求めることはできない。では、その理由について、「なぜならば、民法の規定によれば、指名債権の譲渡は、」に続けて、40字程度で記述しなさい。図を見てみよう。債権者Aが債務者Bにお金を貸しているケース(貸金債権)である。この貸金債権をAがCに譲渡したケースである。
債権譲渡、譲渡人と譲受人.png
この場合、債権の譲受人Cが債務者Bに支払いを求めるには、つまり貸金債権の譲渡を債務者Bに主張する(対抗する)には、①債権の譲渡人Aの通知又は②債務者Bの承諾が必要となる(民法467条1項)。
このようにしないと、債務者Bが譲渡の事実を知らずに元の債権者Aにお金を返済したものの、新しい債権者Cから支払いを求められるケースもある。債務者Bが二重に支払う危険から保護するために、①債権の譲渡人Aの通知又は②債務者Bの承諾を要求している。
債権譲渡.png
■ ここにも注意! ■
債務者Bへの通知は、譲渡人Aがする必要がある。譲受人Cではない(譲受人からの通知で良いとすると、実際は譲り受けていないのに自称譲受人が出てくる心配がある)。参考条文、民法
(指名債権の譲渡の対抗要件)
第467条 指名債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。
2 前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。以上の点をまとめると、以下のようになる。
【解答】 (なぜならば、民法の規定によれば、指名債権の譲渡は、)譲渡人が債務者に通知し、又は債務者が承諾しなければ、債務者に対抗できないからである。(42字)
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2010年07月12日
未成年者、取消しと現存利益の返還 [はてなブックマークで表示] [コメントビューワーで表示] [はてなブックマークに追加]
今回は未成年を理由に売買契約を取消した場合の、返還義務の範囲についての問題演習です。【問題】 未成年者Aは、単独の法定代理人である母親Bの所有する宝石を、Bに無断で自己の物としてCに売却し引き渡した上、代金50万円のうち30万円を受けとり、そのうち10万円を遊興費として消費してしまった。
Aが未成年であることを理由にAC間の売買を取消した場合、AはCに20万円を返還すれば足りる。(司法書士、改)
【解答】 ○ 正しい。
未成年者であることを理由に売買を取消した場合(5条2項)、民法121条の規定により当該契約は初めから無効であったものとみなされる。なので、受けとった代金を返還する必要がある。
民法704条により、悪意の場合、受けとった代金に利息を付けて返還しなければならない筈だ。しかし、民法においては未成年者保護(制限行為能力者の保護)の観点から、たとえ悪意であっても「現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う」としている(現存利益、121条但書き)。
さて現存利益について例えば、水道料金や電気料金の支払いなどの生活費の場合は、本来の必要な出費を逃れたということで現存利益有りとして返還の義務が生じる(大判昭7・10・26)
しかし、パチスロなどの遊興費の場合は、浪費として現存利益なしと判断される(最判昭50・6・27参照、準禁治産者の事例)
したがって、この設問の場合、受けとった30万円から遊興費として浪費した10万円を除いた20万円を返還すれば足りる(納得がいかないが、このようになっている。未成年者と契約を結んだ相手側がリスクを負うべきということ)。
未成年者の取消と現存利益の返還.png
参考条文、民法
(未成年者の法律行為)
第5条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
3 第一項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。(取消しの効果)
第121条 取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。ただし、制限行為能力者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。(悪意の受益者の返還義務等)
第704条 悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。(判例)大判昭7・10・26(要旨)
受領した金員を他人に対する債務の弁済または生活費に支出したときは、現に利益を受けていると言うべきである。(判例)最判昭50・6・27(要旨)
準禁治産者が取消の対象である金銭消費貸借契約によって得た利益を賭博に浪費し、右利益が現存しない場合には、その返還義務を負わない。【判例全文】(補足) 大判昭の「大」は大審院を示す。大審院は大日本帝国憲法下で、現在の最高裁判所に相当する司法機関のことである。
■ 確認問題 ■未成年者Aは親権者である父親Bに無断で、その所有する土地を3000万円でCに売却した。Aは受けとった代金3000万円のうち、1200万円をDへの借金の返済にあて、800万円を遊興費に、300万円を生活費に使ったため、手元には700万円しか残らなかった。これを知ったBがこの売買契約を取り消し、Cに当該土地の返還を求めた。
この場合、AがCに返還すべき金額はいくらか?(公務員、改)【解答】 2200万円
① 本来返還すべき金額→3000万円
② Dへの借金の返済1200万円(債務の弁済)→返還の必要あり (本来の必要な出費を逃れたので現存利益有り)
③ 遊興費の800万円→返還の必要なし (浪費として、現存利益なし)
④ 生活費の300万円→返還の必要あり (本来の必要な出費を逃れたので現存利益有り)
⑤ 手元にある700万円→当然、返還の義務あり以上、①~⑤により、1200+300+700=2200万円。これが正解。
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2010年07月12日
現職の国務大臣の落選、辞職の必要あり? [はてなブックマークで表示] [コメントビューワーで表示] [はてなブックマークに追加]MSN産経ニュース
【参院選・暗】「現職閣僚として重く受け止めねば…」 落選の千葉法相 2010.07.12 01:58
「本当はそろって当選できればよかったが、大変責任を感じている」民主現職で法相を務める千葉景子氏(62)が、3議席をめぐって10人が争った神奈川選挙区で5選を逃し、涙をのんだ。民主が最重点選挙区と位置づ……続きを読む
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インタレストマッチ - 広告の掲載について↓ 産経新聞より引用(2010.7.12)
民主現職で法相を務める千葉景子氏(62)が、3議席をめぐって10人が争った神奈川選挙区で5選を逃し、涙をのんだ。
【質問】 現職の千葉法務大臣が落選しました。大臣を辞職しないといけませんか?
【回答】 いいえ。必ずしも辞職の必要はありません。民間人としての登用という形にすればいいのです。
もっとも国務大臣の過半数は国会議員である必要があるので(憲法68条)、その点は注意しないといけません。参考条文、憲法
第68条 内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。
○2 内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる。■ 参考問題 ■憲法の規定により、国務大臣はその過半数を国会議員から選ばなければならないこととされているから、国会議員である国務大臣の一人が議員たる資格を失うこととなった結果、この過半数要件を満たさなくなった場合には、当該国務大臣は辞職するか罷免されなければならない。(国税専門官、改)
【解答】 × 間違い。
他の民間出身の国務大臣が辞職するか、あるいは罷免するなどして過半数要件を満たせばよい。したがって、落選した当該国務大臣が辞職する必要は必ずしもない。
■ その後の千葉法相の動き ■
落選しましたが続投のようです。つまり、民間人として大臣の職にあたると言うことです。
【民主党政権で日本経済が危ない!本当の理由】MSN産経ニュース
【参院選】千葉法相続投 官房長官が方針を表明 2010.07.12 12:36
菅直人首相は12日午前、仙谷由人官房長官、民主党の枝野幸男幹事長と公邸で会談し、参院選神奈川選挙区で落選した千葉景子法相の進退について、続投させる方針を確認した。千葉氏は69万6739票を獲得したが、……続きを読む
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インタレストマッチ - 広告の掲載について↓ 産経新聞より引用(2010.7.12)
【参院選】 千葉法相続投 官房長官が方針を表明
菅直人首相は12日午前、仙谷由人官房長官、民主党の枝野幸男幹事長と公邸で会談し、参院選神奈川選挙区で落選した千葉景子法相の進退について、続投させる方針を確認した。千葉氏は69万6739票を獲得したが、落選していた。
仙谷氏は会談後、記者会見で「9月中には民主党代表選があり、参院の執行体制も新しく作られることになる。行政の継続性という観点から、続けていただくことが望ましい。首相と再確認した」と述べた。
平成16年の参院選で、当時の野沢太三法相(自民)が出馬しなかったため、選挙後も「民間閣僚」として約2カ月間、閣僚を務めたことがあった。ただ、現職閣僚が落選し、その後も閣僚にとどまることは極めて異例といえる。民意を無視した行動といえるだけに、国民の理解を得ることは難しそうだ。
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天皇の国事行為、過去問演習 [はてなブックマークで表示] [コメントビューワーで表示] [はてなブックマークに追加]
今回は天皇の国事行為に関する過去問演習です。平成18年の行政書士試験の【問題4】です。
【問題4】 次のア~オの記述のうち、憲法上、天皇の国事行為として認められていないものはいくつあるか。ア 内閣総理大臣の指名
イ 憲法改正、法律、政令及び条約の裁可
ウ 国務大臣の任免
エ 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権の決定
オ 衆議院の解散1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
5 五つ【解答】 4 (オのみ国事行為)
【解説】 国事行為とは、日本国憲法上、天皇が行うものとして規定されている行為のことです(7条)。
→ 大日本帝国憲法では天皇主権に対し、現在の憲法では国民主権です。つまり、天皇は政治に関しては実質的な判断はできず、形式的なことしかできません。この点から、問題文を見てみましょう。
ア 内閣総理大臣の指名× 国事行為ではない。内閣総理大臣の指名には、実質的な判断が必要です。これは国会の仕事(67条)です。天皇の国事行為ではありません。
参考条文、憲法
第六十七条 内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。
○2 衆議院と参議院とが異なつた指名の議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて十日以内に、参議院が、指名の議決をしないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。イ 憲法改正、法律、政令及び条約の裁可× 国事行為ではない。
天皇が「よし、これでよかろう」というのが裁可です。実質的な判断なので、現在の憲法の国事行為では認められていません。
この裁可は大日本帝国憲法での規定(6条)です。大日本帝国憲法では天皇主権だったので、天皇の裁可が可能でした。
■ ひとこと ■
多くの受験生はこの知識がないでしょう。しかし、【 裁可=裁(裁くの裁)+可(許可の可) 】 であるから、実質的な判断の匂いがプンプンします。ここから、現在の天皇の仕事ではない、という判断ができます。参考条文、大日本帝国憲法
第6条 天皇ハ法律ヲ裁可シ其ノ公布及執行ヲ命ス
ウ 国務大臣の任免× 国事行為ではない。
国務大臣の任免(任命と罷免)なので、やはり実質的な判断が必要です。これは内閣総理大臣の仕事(68条1項、2項)です。なので、天皇の国事行為ではありません。
参考条文、憲法
第六十八条 内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。
○2 内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる。エ 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権の決定× 国事行為ではない。
決定なので実質的な判断が必要です。これは内閣の仕事です(73条7号)。天皇の国事行為ではありません。
参考条文、憲法
第七十三条 内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
一 法律を誠実に執行し、国務を総理すること。
二 外交関係を処理すること。
三 条約を締結すること。但し、事前に、時宜によつては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。
四 法律の定める基準に従ひ、官吏に関する事務を掌理すること。
五 予算を作成して国会に提出すること。
六 この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。
七 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定すること。オ 衆議院の解散○ 国事行為として認められる(7条3号)。
実質的な判断は内閣(内閣の助言と承認)であり、衆議院の解散自体は形式的なものです。したがって、国事行為として認められています。
■ 試験場でパニックになった場合 ■
国会の召集は天皇の国事行為です(7条2号)。召集の召は、お召しになる、つまり天皇に関する行為と分かります。国会の召集が国事行為ならば、反対の解散も天皇の国事行為だろうと予測できます。■ 補足 ■
国会の召集 → 天皇の仕事だから、「召」集(憲法7条2号)。
地方議会の招集 → 普通地方公共団体の長の仕事だから、「招」集。地方自治法101条1項。参考条文、地方自治法
第101条 普通地方公共団体の議会は、普通地方公共団体の長がこれを招集する。
(以下、省略)最後に、天皇の国事行為の条文を確認しておきましょう。
参考条文、憲法7条(国事行為)
第七条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七 栄典を授与すること。
八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九 外国の大使及び公使を接受すること。
十 儀式を行ふこと。復習登録日 : 2010年07月23日復習した日 : 2010年07月24日次の復習日 : 2010年07月31日 (あと 3 回)ドキュメント形式 : default -
2010年06月01日
国会の公開 [はてなブックマークで表示] [コメントビューワーで表示] [はてなブックマークに追加]
■ 本会議
国会議員は国民の代表です。なので、国会の本会議は公開が大原則です(国民による監視のため。また、国民の知る権利からの説明も可能)。なので、本会議を非公開(秘密会)にするためには、出席議員の3分の2以上の特別多数が必要です(憲法57条1項)。大原則を破るものだから当然です。
■ 委員会
原則として非公開です。国会法52条1項。もっとも報道関係者は許可があれば傍聴できます(確かに、NHKで予算委員会の生中継をしていますね)。■ 両院協議会
非公開。国会法97条。衆議院と参議院の議決が異なる場合に登場するのが、両院協議会でした。つまり、妥協点(落とし所)を探り合うのが、ここの仕事です。
とするならば、公開したくない気持ちになるのは当然です。だから、非公開です。参考条文、憲法
第五十七条 両議院の会議は、公開とする。但し、出席議員の三分の二以上の多数で議決したときは、秘密会を開くことができる。
○2 両議院は、各々その会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認められるもの以外は、これを公表し、且つ一般に頒布しなければならない。
○3 出席議員の五分の一以上の要求があれば、各議員の表決は、これを会議録に記載しなければならない。参考条文、国会法
第五十二条 委員会は、議員の外傍聴を許さない。但し、報道の任務にあたる者その他の者で委員長の許可を得たものについては、この限りでない。
○2 委員会は、その決議により秘密会とすることができる。
○3 委員長は、秩序保持のため、傍聴人の退場を命ずることができる。第九十七条 両院協議会は、傍聴を許さない。
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一事不再議の原則 [はてなブックマークで表示] [コメントビューワーで表示] [はてなブックマークに追加]
MSN産経ニュース
横路議長の不信任案を提出 2010.06.01 13:50
自民、公明、みんな、たちあがれ日本の野党4党は1日午後、郵政改革法案について与党に過剰な配慮をしたとして、衆院に横路孝弘衆院議長に対する不信任決議案を提出した。郵政改革法案は、衆院総務委員会で1日間だ……続きを読む
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インタレストマッチ - 広告の掲載について「きょう横路議長不信任案提出」
↓産経新聞より引用(2010.6.1)自民、公明、みんな、たちあがれ日本の野党4党は1日午後、郵政改革法案について与党に過剰な配慮をしたとして、衆院に横路孝弘衆院議長に対する不信任決議案を提出する。
郵政改革法案は、衆院総務委員会で1日間だけの審議で採決され、野党側は「審議が不十分だ」として横路議長に法案を同委に差し戻すよう要求。横路議長はこれに応じず、5月31日に衆院本会議で採決した。
自民党は2月にも 議長不信任案を提出し、与党の反対多数で否決されている。同一会期内に同じ案件を扱わない「一事不再議」の慣例から、決議案は採決されない見通しだ。
一事不再議の原則とは、同じ議案を同一会期中では審議しない原則を指します。
→ 蒸し返しはダメ、最初にもっと徹底的に審議すべき、という当然の内容。国会法56条の4も参照。
■ 一事不再議の原則の例外 ■
一事不再議の原則の例外が「法律案の衆議院の再議決」です(憲法59条2項)。参考条文、国会法
第五十六条の四 各議院は、他の議院から送付又は提出された議案と同一の議案を審議することができない。
参考条文、憲法
第五十九条 法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。
○2 衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。
○3 前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。
○4 参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。復習登録日 : 2010年07月23日復習した日 : 2010年07月24日次の復習日 : 2010年07月31日 (あと 3 回)ドキュメント形式 : default -
自由選択主義とは?行政事件訴訟法
【問題】次の肢は正しいか、否か。審査請求に対する棄却裁決を受けた場合であっても、原処分の取消しを求める訴えを提起することは可能である。
(※原処分→国民が最初にされた処分、審査請求の対象となっている最初の処分のこと)○ 正しい。
最初にされた処分を不服とし審査請求をしてみたものの見事に棄却されてしまったケースである。次に裁判所に訴えを起こそうと決意する。この場合は、最初の処分(原処分)の取消しを求めることも可能だし、裁決の取消しを求めることも可能である(これを自由選択主義という)。
行政に対して救済を求めることと、裁判所に対して救済を求めることは別のことである。だから、審査請求で棄却されてしまっても、裁判所への提起には影響はない。審査請求の判断(裁決)に納得が行かないので裁決の取消訴訟を提起してもいいし、最初の処分(原処分)の取消訴訟を提起しても良い。
【ポイント!】 自由選択主義には色々な使われ方があります。今回は行政事件訴訟法に関するものを整理しておきましょう。
① 行政か?裁判所か?
行政処分に納得がいかない場合、救済方法として2通りあります。行政に救済を求めるか?裁判所に救済を求めるか?です。行政による救済を定めたのが行政不服審査法、裁判所による救済を定めたのが行政事件訴訟法です。
原則として、どちらにも救済を求めることができます。これが最初の自由選択主義です(行政事件訴訟法8条1項)。【例外】審査請求前置主義
裁判所に訴えを起こす前に、行政に対して審査請求をする必要がある場合を指します(これを審査請求前置主義という)。専門性が特に高い分野に当てはまり、専門性が高いから、裁判所よりも行政に対して文句を言った方がいい、ということですね。行政事件訴訟法8条1項ただし書き。【審査請求前置主義の説明】
審査請求前置主義.jpg② 原処分の取消し?裁決の取消し?
裁判所に救済を求めた場合です。原則として、原処分(最初の行政処分)の取消しを求めることもできるし、審査請求の裁決の取消しを求めることもできます。これが二つ目の自由選択主義です。
【例外】 裁決主義
これは、裁決の取消訴訟のしか提起できない、というものです。例として、特許法178条6項などがあります。【裁決主義の記事(独学で短期合格!行政書士)】
裁決主義.jpg
→ どちらにせよ、国民の広い権利利益の救済が目的となっているため、原則として自由選択主義になっている訳ですね!ここがポイントです。参考条文、行政事件訴訟法
(処分の取消しの訴えと審査請求との関係)
第八条 処分の取消しの訴えは、当該処分につき法令の規定により審査請求をすることができる場合においても、直ちに提起することを妨げない。ただし、法律に当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ処分の取消しの訴えを提起することができない旨の定めがあるときは、この限りでない。
2 前項ただし書の場合においても、次の各号の一に該当するときは、裁決を経ないで、処分の取消しの訴えを提起することができる。
一 審査請求があつた日から三箇月を経過しても裁決がないとき。
二 処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる著しい損害を避けるため緊急の必要があるとき。
三 その他裁決を経ないことにつき正当な理由があるとき。
3 第一項本文の場合において、当該処分につき審査請求がされているときは、裁判所は、その審査請求に対する裁決があるまで(審査請求があつた日から三箇月を経過しても裁決がないときは、その期間を経過するまで)、訴訟手続を中止することができる。→ 行政に救済を求めるか?裁判所に救済を求めるか?という①の自由選択主義のケースです。
ただし書き以下が、審査請求前置主義の記述となっています。【補足】 行政不服審査法でも自由選択主義が出てきました。申請したのに、行政が何の対応もしてくれない不作為の場面でしたね。
この場合の不服申立ての内容は、行政に対する「催促」なので、異議申立てと審査請求のいずれかを自由に選んですることができます。復習登録日 : 2010年06月23日復習した日 : 2010年07月01日次の復習日 : 2010年07月31日 (あと 2 回)ドキュメント形式 : default -
行政事件訴訟法の裁決主義とは?特許法178条6項、海難審判法44条、公職選挙法203条2項の趣旨目的
【問題】次の肢は正しいか、否か。取消訴訟には、処分の取消しを求める処分取消訴訟と、審査請求の裁決の取消しを求める裁決取消訴訟の2種類あるが、国民はどんな場合であっても、この2つを選択することが可能となっている。
× 間違い。原則として両方を提起できるが(自由選択主義)、例外として、裁決の取消訴訟しかできない場合がある(裁決主義)。
(原則)自由選択主義
→ ① 処分の取消訴訟 ② 裁決の取消訴訟 いずれも可能 (国民の権利利益の救済が目的だから、納得の行くようにさせたら良い)
(例外)裁決主義
→ ② 裁決の取消訴訟 のみ可能。裁決主義.jpg
→ 裁決の取消訴訟の例として、特許法178条6項 【補足1】、海難審判法44条 【補足2】、公職選挙法203条2項 【補足3】がある。【補足1】 特許法178条6項が裁決主義となる理由
特許庁の裁決(審判という)に納得がいかず、裁判所に提起する場合、東京高等裁判所に提起をする。いきなり第2審に入ってしまうのだ。つまり、特許庁の審判は実質的に、第1審にあたる。特許という専門性の高さから、そもそも処分の取消訴訟と審査請求の取消訴訟の両方が提起できるという概念がない。たとえ両方が可能としても、専門性の高さから特許庁の判断を重視せざるを得ない。したがって、二度手間となるので裁決(審判)の取消訴訟のみ認められている。
(特許庁に聞いたところ、このような回答だった。それ以上の詳しいことは立案者に聞かないと分からない、と担当者は話す。)【補足2】 海難審判法44条が裁決主義となる理由
これも東京高等裁判所が提起先となる。つまり、海難審判法44条による審判が第1審にあたる。それに加えて、原処分と審査請求(審判)が、実質的に一体化しているという事情もある(海難審判庁の総務課に、お話を伺った)。【補足3】 公職選挙法203条2項が裁決主義となる理由
これには、はっきりとした理由がある。選挙なので早期に効力を確定する必要がある。したがって、裁決の取消訴訟しか許されていない。
さらに選挙管理委員会の審査請求が、裁判所並みの効力を持っていることも挙げられる。そして、審査請求の裁決に納得がいかず訴訟を提起した場合でも、裁決だけが裁判の争点になる訳ではない。原処分も含有されて争点となる。つまり、実質的に原処分の違法性も裁決の取消訴訟で審理されるのだ(以上、総務省選挙管理課に、お話を伺った)。【ひとこと】 今回、各省庁の担当者の方にお話を伺った訳ですが、頭がついて行きませんでした。特に海難審判では刑事処分も絡んでくるので、複雑を極めました。
行政書士試験対策としては、自由選択主義の例外として裁決主義がある、で十分です。専門性が高い分野では裁決主義もある、で十分ということです。参考までに条文を掲載しておきますが、今回は本当に参考程度にしてくださいね。
参考条文、特許法
(審決等に対する訴え)
第百七十八条 審決に対する訴え及び審判又は再審の請求書の却下の決定に対する訴えは、東京高等裁判所の専属管轄とする。
2 前項の訴えは、当事者、参加人又は当該審判若しくは再審に参加を申請してその申請を拒否された者に限り、提起することができる。
3 第一項の訴えは、審決又は決定の謄本の送達があつた日から三十日を経過した後は、提起することができない。
4 前項の期間は、不変期間とする。
5 審判長は、遠隔又は交通不便の地にある者のため、職権で、前項の不変期間については附加期間を定めることができる。
6 審判を請求することができる事項に関する訴えは、審決に対するものでなければ、提起することができない。→ 審査請求の裁決(審判)の取消訴訟のみ可能です!
参考条文、海難審判法
(裁決の取消しの訴え)
第四十四条 裁決の取消しの訴えは、東京高等裁判所の管轄に専属する。
2 前項の訴えは、裁決の言渡しの日から三十日以内に、これを提起しなければならない。
3 前項の期間は、これを不変期間とする。→ 裁決の取消しの訴えのみ可能です、つまり、裁決主義ですね!
参考条文、公職選挙法
(地方公共団体の議会の議員及び長の選挙の効力に関する訴訟)
第二百三条 地方公共団体の議会の議員及び長の選挙において、前条第一項の異議の申出若しくは同条第二項の審査の申立てに対する都道府県の選挙管理委員会の決定又は裁決に不服がある者は、当該都道府県の選挙管理委員会を被告とし、その決定書若しくは裁決書の交付を受けた日又は第二百十五条の規定による告示の日から三十日以内に、高等裁判所に訴訟を提起することができる。
2 地方公共団体の議会の議員及び長の選挙の効力に関する訴訟は、前条第一項又は第二項の規定による異議の申出又は審査の申立てに対する都道府県の選挙管理委員会の決定又は裁決に対してのみ提起することができる。→ 異議申立ての決定、又は審査請求の裁決に対してのみ裁判所に訴えることが可能です(まとめて裁決主義という)。最初の処分(原処分)の取消訴訟はできません。選挙の効力を早期に確定させるためです!
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2010年03月29日
争点訴訟とは?行政事件訴訟法
【問題】次の肢は正しいか、否か。争点訴訟とは、国又は公共団体の機関相互間における権限の存否又はその行使に関する紛争についての訴訟のことをいう。
× 間違い。これは機関訴訟(6 条)の説明。行政どうしの紛争に関する訴訟が機関訴訟である。
今回は、争点訴訟について見て行こう。理解しにくい分野なので、いくつかの段階に分けて話を進めて行こう。
【ステップ①】 農地の売買
売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる(民法555条)。つまり、当事者同士の意思が合致すれば、売買契約は成立する。
しかし、農地の売買の場合は、話が異なる。行政による許可が必要となる(これを認可と言う)。
農地法の認可.jpg
農地は限られた資源であり、かつ、地域における貴重な資源であるから、農地を 農地以外のものにすることを規制する必要があるのだ(農地法1条)。住宅地への乱開発で農地が少なくなってしまうと、場合によっては食糧問題にも直結してくる。だから、許可(認可)が必要となる。【ステップ②】 その売買の取消し
詐欺や強迫などで、その売買が取消しになるケースを考えてみる。この場合は、民間人同士の土地の売買であっても、その取消しの前に、行政の認可の有効性を確認しないといけない。実質的に行政庁の処分や裁決の有効性が争点となってくる。これが争点訴訟である(行政事件訴訟法45条)。なお、争点訴訟という名称は、 45条の見出しの「処分の効力等を争点とする訴訟」から、由来する。【ひとこと】 つまり、民事訴訟の中で、行政処分の効力が争点となるから、争点訴訟と呼ばれています!
参考条文、行政事件訴訟法
(処分の効力等を争点とする訴訟)
第四十五条 私法上の法律関係に関する訴訟において、処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無が争われている場合には、第二十三条第一項及び第二項並びに第三十九条の規定を準用する。
2 前項の規定により行政庁が訴訟に参加した場合には、民事訴訟法第四十五条第一項 及び第二項 の規定を準用する。ただし、攻撃又は防御の方法は、当該処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無に関するものに限り、提出することができる。
3 第一項の規定により行政庁が訴訟に参加した後において、処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無に関する争いがなくなつたときは、裁判所は、参加の決定を取り消すことができる。
4 第一項の場合には、当該争点について第二十三条の二及び第二十四条の規定を、訴訟費用の裁判について第三十五条の規定を準用する。【関連問題にチャレンジ!】
農地の権利移転の許可は「特許」に該当する。(解答は参考条文の下)参考条文、農地法の許可(認可)
(農地又は採草放牧地の権利移動の制限)
第三条 農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が農業委員会の許可(これらの権利を取得する者(政令で定める者を除く。)がその住所のある市町村の区域の外にある農地又は採草放牧地について権利を取得する場合その他政令で定める場合には、都道府県知事の許可)を受けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合及び第五条第一項本文に規定する場合は、この限りでない。
一 第四十六条第一項又は第四十七条の規定によつて所有権が移転される場合
(以下、省略)【関連問題の解答】 × 間違い。特許ではなく、認可が正しい。
…今回は争点訴訟、行政行為の認可など内容が多かったですね。しかし、乱開発を許さない農地法の目的さえ押さえてしまえば、認可も簡単に理解できると思います。
繰り返しになりますが、条文の目的をしっかり押さえておきましょう。これが行政書士試験の短期合格の決め手となります。頑張りましょう!復習登録日 : 2010年06月23日復習した日 : 2010年07月01日次の復習日 : 2010年07月31日 (あと 2 回)ドキュメント形式 : default